【読書170冊目:『連戦連敗』(安藤忠雄)】と素敵なサムシング
かまさかさんです!
本日も建築家、世界のANDOの本です。
【読書170冊目:『連戦連敗』(安藤忠雄)】と素敵なサムシング
【読書目的・理由】
先日の続き、安藤忠雄の本を読みたくなりました。
こちらは2000年に東京大学であった特別講義を収録したものになります。
今から20年前の本です!
学生の頃に一度読んだことがあります。
もう一度手に取りました。
【学び・読書メモ】
■建築は敷地を訪れて身体で依頼の文脈を読み取り、関係者と顔を合わせて互いの意思を確認し合うことから始まる。
外的条件に設計根拠を求める。
■手描きのスケッチにはそこに至るまでの設計者の迷いや思考の痕跡が詰まっている。
綺麗に整理されたCAD図には曖昧な部分が入り込む余地が無い。
一本一本の線にも否応無しにリアリティがこもってくる。
■「想像とは逆境の中でこそ見出されるもの。」
(ルイス・カーン)
■歴史的建造物について。
保存するだけでなく、過去を現代に生かしてこそ初めて「残す」という行為が意味を持つ。
■過去の名建築に学ぶ。
先人達が何を目指し、何を実現させてきたのか。歴史の連続性を持たせるにはその対象の内容を知らなければ何も新しい発想は生まれない。
■建築は「カタチ」の問題では無い。
「光」を追い求めるだけでも建築ができるという可能性がある。
【自分への落とし込み】
「連戦連敗」。
これはANDOが挑戦してきた数々のコンペの結果だと言います。
輝かしい実績からは想像できないほど、世界と戦う彼は何度でも立ち上がり挑戦しています。
時には出来レースのような理不尽なコンペもあったと言います。
けれど、次の作品に生かすことができる。
同じ「コンペの題材・課題」を世界の名だたる建築家と共有し、同じ視点で彼らの提出作品を見ることができる。ともに苦しんだ課題だからこそ分かり合え、学べる部分が多くある。と積極的な意見を述べています。
他の本にも書いていたように安藤忠雄がANDOになるまでの軌跡や現在(本の出版当時1999〜2000年)のプロジェクトに関して講義対象の20代学生に向けて惜しみなく綴られていました。
彼の作品に対する表現で、とても分かりやすく納得がいった文があります。
紹介します。
レベルを変化させながら東西方向に延びていくヴォイド。これら余白の空間をスロープや階段によって適度に分節し、空間に抑揚を与えていく。同時にそれらは建物に光や風を引き込む装置でもある。
機能的に階段やスロープを捉え、”空間をつくっていく”意識がそこに向けられているのが分かります。
抽象的なイメージを具体的にするには図面はもちろんですが、その他に周りを説得・納得させる言葉が必要です。
では、また!