【読書187冊目:『小さな森の家』(吉村順三)】と素敵なサムシング
かまさかさんです!
あっという間に、11月も終わってしまいますね。。
でも、まだまだ!
今日はこちら!
【読書187冊目:『小さな森の家』(吉村順三)】と素敵なサムシング
【読書目的・理由】
吉村順三さんは私の大好きな建築家の一人です。
この本は建築を志す者ならば目にしたことはあるでしょう、
軽井沢にある小さな山荘の物語です。
誰でも手に取りやすいようにと絵本形式になっています。
吉村さんの語り口が優しいです。
【学び・読書メモ】
■ここには天井からの照明はないんだよ。
部屋全体をくまなく明るくする必要はないからね。
フロアスタンドやテーブルスタンドで必要なところだけ明るくすればいい。
■奥まった壁に囲われたコーナーに明かりとりの窓を付ける。
‘気”を抜く効果を狙う。
■引き戸の取っ手や階段に傾斜をつけた小さな工夫。
自分が生活していてどんなところでどういう不便を感じるか。
そうした日常の経験を生かして設計する。
【自分への落とし込み】
建築学生の頃、一番最初の課題がこの軽井沢の山荘のトレース(図面模写)と模型制作でした。
写真や残された図面を入手し、右も左も分からない状態で取り組んだことを思い出しました。
社会人になり、初めての休暇にはこの山荘をどうしても見たくて弾丸で軽井沢まで行きました。
中には入れませんでしたが、想像通りの「小さな山荘」がそこにはありました。
5月の涼しい風と葉の揺れ合う音、どこかで静かに流れている水音が同居していました。
1Fのベンチに腰かけると、張り出した2階のテラスが目の前の森林を切り取り、見事な「軒下空間」が出来ていました。
この絵本には季節ごとの写真が豊富に収録されています。
雪が積もった冬の様子。
1Fテラスで行われた音楽会の様子。(吉村さんの奥様がヴァイオリニスト)
何度も中に入ってそこで過ごす自分をイメージしました。
直階段を上がり、振り返るとリビングが広がるその間取りの先にコーナーに切り取られた「軽井沢の森林」があります。
振り返るまでの「間」を設けることで、その感動が際立つ演出がされています。
隅々まで「人の手」が入ったあたたかい建築を日常に落とし込めるよう、
そしてそんな感受性を大切に拾っていけるようにしようと思いました。
では、また!