世の中には、3種類のオンナがいる。
Hey!What's UP?
かまさかさんです。
今日はコレ!
【読書】『82年生まれのキム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)読書ノート
2016年秋に韓国で100万部のベストセラーになった小説です。
日本でも書店に行けば平積みされていて、「マグリットみたいな表紙」が気になっていてずっと読みたかった本です。
ドキュメントの様な、本当にあるかの様な、そんな小説。
しかし、この話はまだ続いています。ハッピーエンドになっていません。。。
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読み進めながら、国は違えど日本でも同様なことが起こっていて
まさに20代〜30代の女性達の感情や心のモヤモヤを言語化してくれている小説だと思いました。
巻末の伊東順子さんの解説に「ミラーリング」の話がありました。
「ミラーリング」とは女性がされてきて嫌な思いをしている内容を男性の立場に置き換えて、「これでも同じ想いを女性にさせますか。」と訴えかける運動のことです。
解説によると、この小説は一種の「ミラーリング」の仕掛けがあるということです。
登場人物の女性には全員名前があり、フルネームで紹介されているのに対し、男性の方は主人公「キムの夫」以外の男性の名前は付けられていない。
「キムの弟」にでさえも。。
この小説を読んだ全ての男性はどう感じただろうか。
私は女性だから、どうしてもキムへ感情移入してしまい、あまりにもリアルで他人事とは思えないと解説まで一気に読みました。
実は私も、似た様な「悔しい想い」をしたことがありました。
私は、3年前に一級建築士を取得しました。
建築業界で生き抜くには(ましてや女性という立場で働いていくためには)どうしても取得したい、私にとっては特別な資格でした。
一級建築士試験は一次試験(学科)と二次試験(実技)があり、
一次試験(学科)の方は点数が発表されるため明確に合否が分かります。
それに対し、二次試験(実技)は採点方式も公表されておらず、回答結果も発表されないため合否の理由が明確ではありません。
何がなんでも早く取得したかった私は、資格学校に通い仕事以外の全ての時間を勉強に費やしました。
二次試験(実技)ではクーラーのあまり効いていない試験会場で、6時間ぶっ続けで全力をかけて答案を仕上げました。
額からぼたぼた落ちる汗が答案図面を汚してしまわないか、終始気にしていたことだけを覚えています。
結果は無事、合格。
会社の方々も皆喜んでくれました。
ただ、、、そんな合格を祝福してくれる沢山の言葉の中に、
一滴の墨を落とす様な発言をした人を、私は忘れられません。
「女性枠で受からせてもらったんじゃないの?」
私は、、、私は、何も言い返せませんでした。
支店の中でも発言力のある部長クラスの上司の発言。
その場の空気が変わりました。
けれど、誰も何も言ってくれませんでした。
悔しかった。
言いたかった。
私がどんな想いでこの資格をもぎ取ったか。
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この小説を読みながら、当時の悔しい気持ちがまたよみがえってきました。
けれど、今はそれほど悔しくはありません。
その発言をした人は結局何かのタイミングで違う部署に異動になり、
私自身もこの経験を通して「強く」なったからです。
もし女性でも男性でも同じ様な想いをしている人がいれば
私は迷わず心から声をかけます。
そんな、「強さ」をその人は私にくれたんだ。と思う様にしました。
「本当の「強さや優しさ」を持った人は
それ以上に深い「哀しみ」を持ってんねんで。」
と昔、明石家さんまさんがラジオで言っていました。
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この小説はハッピーエンドで終わらない。と冒頭に書きました。
「キム・ジヨン」という架空の女性をカウンセリング・診療している医者(男性)の目線や思想や行動が結局最後まで変わらなかったからです。
「あなたも同じなんですね。」とため息をついて世の女性は本を閉じたことでしょう。。
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偶然にも、
昔見た韓国の歴史ドラマでハッとなった女性のセリフがあります。
「「あなたも同じなんですね。」とため息をついて本を閉じた人々」
にそれを紹介したいと思います。
「世の中には、3種類のオンナがいるのよ。
一人目は、かなしいことがあった時に
「泣くオンナ」。
二人目は、かなしいことがあった時に
「対抗して戦うオンナ」。
そして、三人目は誰だと思う?
かなしいことがあった時にね、
「受け流すオンナ」よ。」
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泣き寝入りする。とは言わない。
けれど、私は「優しい強さ」を持った「三人目のオンナ」になりたい。
何かの歌詞ではないけれど
「あなたになんか、つまずかないわ。」とうすく笑えるオンナでいたい。
すぐには社会は変わらない。
どれだけ制度を改めても社会の構造が追いついて行かないと思う。
そんな中、私たちはどうするか。
現実をしっかり見て、自分の意見をしっかり持って、
正しいと思うことを静かに貫き通す「強さ」を持つこと。
その「強さ」はいつか自分と自分以外の誰かを助ける「強さ」に必ずなる。
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長くなりましたね。
”気温”よりも”気持”がアツい3150の1日が始まったぞ!
では、また!!
■get tongue-tied:かむ(『コレ英』p.119)
Mr.Kano: Oh,I got tongue-tied again!
→ま〜た、噛んじゃいましたよ!
Mr.Ariyoshi:You always do.
→いつもじゃねぇか笑
※舌がもつれる、口ごもる。
「セリフをかむ」
→fluff(blow)one's lines